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* vanish into the blue * travel 旅のいろいろ。
2012.03.03 Saturday
02 ゾロにまつわる思い出のようなもの
※原作には「ゾロの正体は?」とドキドキしながらストーリーを追っていく楽しみがあるんだろうけど、ここでこの物語について書くからにはゾロの正体に触れないわけにはいかない(じゃないと話が進まない!)。まあ、そこを分かってて読んでも十分面白いし、この物語を楽しむポイントはたくさんあるはずなので、気にせずネタばれしていこう。あしからず。
01でも触れたとおり、私がゾロを知ったのは1996年。全52話のアニメーション「快傑ゾロ」だった。子供向けということで(製作のMONDTVによると6-12歳を対象としているらしい)、原作と異なる部分もありながらもその魅力を損なうことなく、分かりやすく面白くまとめられた作品だった。 並はずれた知略と剣術でもって権力をかさに弱者を虐げる者たちを断罪する、ひたすらカッコいいゾロ。その正体は大農場主の御曹司・ディエゴ。彼は、周囲に自分がゾロだとばれないよう普段は臆病で穏やかな青年を演じている(たまに天然)。この二面性がまた魅力。そして、リトルゾロに扮してゾロを助ける、ディエゴの弟のような存在・ベルナルド。気が強くて心優しいヒロイン・ロリタ。敵対する軍人代表・レイモン司令官。その腹心の部下・ガブリエル少尉。人の良いゴンザレス軍曹。それぞれのキャラクターも活き活きとして魅力的で、すごく惹きこまれた。ツッコミどころも多かったけど。 さて、このアニメがとても面白かったので、原作が読みたくなった当時の私は、早速、図書館へ足を運んだ。地元にはなかったので、県立図書館から取り寄せてもらい、一気に読んだ。読後、どうしても手元に置いておきたくなり、絶版になっていた原作本を求めて古書店を探し回ったのも良い思い出。運よく入手した創元推理文庫版(井上一夫訳)と角川文庫版(広瀬順弘訳)は、引っ越すたびに「やはりどちらも捨てられない!」と、未だに自室の本棚に並んでいる。 創元推理文庫版(左)と角川文庫版(右) 私は映像等で知って気に入った作品は、原作があれば必ず読むようにしている。「観る」より「読む」方が好きだし、面白いと信じてもいるので。原作が面白ければ、その作品の背景(歴史や文化、地理、習俗などなど)が分かるような本、その作品を書くにあたって作家が参考にしたと思われる本、その作品の影響を受けて生まれた本、または同じ作家の別の著作……といった具合に、そこからどんどん読むものを広げていく。 ともかく、私にとって『快傑ゾロ』は、「広げたくなる」タイプの物語だった。……だったはずなのだが、当時、マッカレーに関する情報はほとんどなく(私の情報検索能力もなかったが)、あっさり挫折。読んだのは学校の図書室にあった『パリの怪盗』のみ。細かい内容は忘れてしまったが、面白かったのは覚えている。あと、ラストが「なんか、ソレずるくね?」みたいなオチだった気が……。ああ、やっぱりストーリー覚えてない(数年前、教育実習で母校にお世話になった際、ふと思い出して図書室へ行ってみたが、もう置いてなかった。さびしい)。 今はインターネットである程度の情報は簡単に手に入れることができる(便利な世の中になったものだ!)。各種の公的なサイトからゾロファンによる私設サイト(アニメ版ゾロのファンサイトも含む)まで、幅広い情報があふれている。もっともマッカレーの生涯については、特に小説家になる以前のことは残された記録が少なく、わからないことも多いようだが。 角川文庫版(上)と創元推理文庫版(下)カバー。 どちらも映画「アラン・ドロンのゾロ」の写真が使われている。 ちなみに、私は角川文庫のデザインの方が好き。 そういえば、「装丁が違うから!」、「版が違うから!」などと言って同じ本を集めてしまう私の癖は、思えば、訳者と出版社の違う2種類の『快傑ゾロ』を手にした時から始まったのかもしれない……(しかも現在それぞれ「新版」と「改版」が出ているらしく、本当はこれも欲しい。読み比べたい。でも4冊はさすがに自重したい!)。 そうそう。ネットが便利という話だが、昨年末ふと原作を読み返してみて、このアニメが無性に見たくなったが、残念ながらDVDなどは販売されていない。そこで早速ネットで検索。SNSだ、ツイッターだ、と情報が氾濫するこのご時世。もしや、探せば見ることができるのでは、と・・・ あった! しかも、全話!!! リアルタイムで見ることができなかったものも含めて全て見た。懐かしく、そして変わらず、いや、むかし見ていた以上に面白かった。おかげでハマリなおして、こんな雑文書くに至ってるわけだけど。いや、まったく、便利な世の中だ。 参考 ・Z会(快傑ゾロ同盟)(管理人=桟田バーバラ様): http://heponet.web.fc2.com/ アニメーション「快傑ゾロ」の放映から16年。こんなにもゾロファンがいるのかと勇気づけられる思い!アニメ版について、そのほか小説や映画などについても詳しい、ゾロ愛あふれるサイトです。 ・MONDTV: http://www.mondotv.it/MondoTVspa/sitoweb_mondotv/paginaIniziale.php アニメーション「快傑ゾロ」製作。イタリア語と英語。 ・アニメが見れる動画サイト: 載せると差支えがありそうなのでURLは割愛。検索して下さい。多くの方々に見たいただきたい作品です。 ※03以降は こちら に掲載予定です。 2012.02.24 Friday
01 現代にも通じる?! 『快傑ゾロ』
先日、グラミー賞の授賞式が行われた。例年なら特に興味も持たないところだが、今年はひそかに注目していた作品がある。それは、Best Spoken Word Album (Includes Poetry, Audio Books & Story Telling)部門にノミネートされたBlackstone Audio Inc.のThe Mark Of Zorro(Val Kilmer & Cast)である。残念ながら受賞は逃してしまったが、The Mark Of Zorroという物語がオーディオドラマ化され、グラミー賞にノミネートされたということは注目に値する、と勝手に思う。
舞台は18世紀末、スペイン統治下のカリフォルニア。弱きを助け強きをくじく、軍の圧政に一人立ち向かう覆面の英雄“ゾロ”。不当に虐げられた人々のために自らの剣によって正義を体現する彼の正体は誰も知らない。 総督の怒りを買い、没落に追い込まれたプリド家の一人娘ロリタには2人の求婚者がいた。音楽と詩を愛する穏やかな青年だが、暴力沙汰を嫌い、男らしい勇気や行動力に欠ける大農園の御曹司ディエゴ。若くして砦の指揮官を務める、総督の覚えがめでたい青年将校レイモン。ロリタの両親は娘がこのどちらかと結婚してくれればプリド家を再興できると考えるが、ロリタが愛したのは2人のうちのどちらでもなく、反逆者として軍に追われるゾロだった。 J・マッカレー/井上一夫(訳)『快傑ゾロ』東京創元社(創元推理文庫)1969年12月 アメリカの作家ジョンストン・マッカレー(McCulley, Johnston 1883-1958)によって書かれたThe Mark Of Zorroは、20数か国語に翻訳され、およそ5千万部を売り上げたという世界的なベストセラー小説である。さらに発表当初から現在に至るまで、映画やテレビシリーズ、アニメーション、舞台、漫画、ゲームなど様々なメディアに展開している。この物語が世界各国でどのような発展をみせたかについては、Zorro Productions, Inc.(以下ZPI)に詳しい。日本では1921年にダグラス・フェアバンクス主演の映画「奇傑ゾロ」が公開され、戦後、東京創元社の『世界大ロマン全集』(全65巻 1956-59年)で紹介されたのを皮切りに「快傑ゾロ」の訳で親しまれ、ジュブナイル版やアニメーション等も発表されている。近年では、この物語を元にしたアントニオ・バンデラス主演の映画「マスク・オブ・ゾロ」(1998年)および続編の「レジェンド・オブ・ゾロ」(2005年)が日本でも公開されている。さらにZPIによると、現在2つの映画会社が新たなゾロの映画を企画しているとか。 ジョンストン・マッカレー/広瀬順弘(訳)『快傑ゾロ』角川書店(角川文庫)1975年6月 マッカレーによって最初のゾロの物語が発表されたのが1919年。およそ100年を経ようとしている今なお、未だにこれだけの企画が立ち上がり、世代や国を超えて多くの人を魅了し続けているのは何故か。このことについて、ZPIは、ゾロというキャラクターが数多く存在するヒーローのなかでも非常に多面的であるという点を挙げている。智勇兼ね備えた魅力的な“ゾロ”というキャラクター。アクションあり、ロマンスあり、ユーモアありのストーリー。自由を標榜し、悪政を敷く権力者に敢然と立ち向かうというのは、シンプルかつ、いつの時代にも普遍のテーマである。だからこそ、それぞれの国や時代の潮流に応じて再解釈され、人々の共感を呼び続けたのだろう。 私がゾロに出会ったのは、1996-97年にかけてNHKの衛生アニメ劇場にて放映された『快傑ゾロ』と題されたアニメーションだった。最近、このアニメを全話通して見る機会を得て、当時、夢中になって原作を探して読んだことなど思い出して、ゾロ熱が再燃したという次第。インターネットで少し検索するだけで、アニメ版の「快傑ゾロ」について、原作について、当時はほとんど情報のなかった原作者のジョンストン・マッカレーについて、などなどいろんな情報が得られ、なかにはすごく興味の惹かれる事柄もあり(マッカレーと雑誌『新青年』とか、マッカレーの小説を江戸川乱歩が翻案しているとか)、自分なりにもうちょっと突っ込んで「ゾロ」やマッカレーのことを調べてみたくなった。そんなわけで、興味の向くまま軽い気持ちで調べて書き綴ってみようと考えている。 いつまでこの熱が続くか分からないけれど。 参考(次回以降ちゃんと載せるけど、とりあえず) ・Zorro Productions, Inc.(http://www.zorro.com/) ・Wikipedia 該当ページほか ・『快傑ゾロ』訳者あとがきなど |